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叩き方を説明します。

 

よくある質問でも少し書かせて頂きましたが、だんじりのお囃子は、多少の違いはありますが、基本的なリズムは5つ程度で、どのだんじりも非常によく似ています。またリズムが変わる時の合図も基本的に同じです。これらを覚えれば、あとはご自分の地元のだんじりをよく聴いて、細部を覚えれば良いと思います。ウィキペディアで「だんじり囃子」を検索すれば、地域による違いなどが詳しく載っています。

まず、大太鼓は、鼓面だけでなく外側の縁の部分を叩いたり、鋲(びょう)という黒い留め具をギロのようにこすったりしますが、これらはほとんどアドリブです。だんじりによってはアドリブの少ない、決まった叩き方をするところもあります。一方、鉦と小太鼓はアドリブがありません。同じリズムを繰り返します。

次に、リズムが変わるタイミングについて説明します。これは回数や時間ではなく、大太鼓の合図によって変わります。大太鼓は最初は鼓面だけを叩きます。真ん中ばっかりなので、これを仮に「中中(なかなか)」と呼びましょう。しばらくすると鼓面と縁、鋲を織り交ぜながら叩きます。真ん中だけでなく外側も叩くので、これを仮に「中外(なかそと)」と呼びましょう。「中外」でしばらく叩いていて、急に「中中」に戻ったら、それが次のリズムに変わる合図です。

次のリズムでも、しばらく「中中」で途中から「中外」、再び「中中」を叩いたら次に変わる。基本的にこの繰り返しです。

では具体的なリズムの説明に移ります。多くのだんじりが最初は「大阪締め(おおさかじめ)」あるいは「手打ち」と呼ばれるリズムで始まります。以下のようなものです。西洋の五線譜を参考に私が書いたものです。(スマホでも見えるように画像が縦置きになってます。)

手打.jpg

​縦の線より右側が掛け声で、左側が手拍子です。「いおーてさんど」は「祝って三度」の意味です。地域によって微妙に掛け声やリズムに違いがあります。基本的に手拍子の部分で太鼓や鉦を叩きますが、地域によっては掛け声の部分も叩いたりもします。

​次に、「よくある質問」でもご紹介しました「追い囃子」です。

1太鼓.jpg

​横線よりも上の黒丸は右手で叩きます。下は左手で叩きます。(左利きの人は、左右を逆に読み替えて下さい。)口で言いますと、

ドンドコ ドンドコ ドンドコ ドンドン

です。これを最初の数分間、繰り返します。大太鼓は最初は「中中」で、途中から「中外」になります。小太鼓は縁や鋲を叩きません。アドリブもなく、いわばずっと「中中」です。

​鉦は次のように叩きます。

1鉦.jpg

​鉦はトンカチのような道具で叩きます。これは頭の部分が鹿の角で出来ていて、柄(え)の部分は竹です。撞木(しゅもく)とか、鹿倍(しかばい)といいます。この撞木で鉦の内側を叩くのですが、左右と正面とでは音色が違います。左右より正面の方が低い音が出ます。

音符の説明に戻りますと、横線より上の黒い丸は右側を、下は左側を、★印は正面を叩きます。(左利きの人は左右を逆に読み替えて下さい。)口で言いますと、

コンチキ チッチキ チッチキ チッコン

​となります。鉦もアドリブはありません。大太鼓の合図があるまで、このリズムを繰り返します。

なお、鉦については、西洋の五線譜とは違う独自の譜面があります。ただし、これは私が先輩に教えてもらったもので、他の地域にも同じものがあるのかどうかは分かりません、すみません。以下のようなものです。

1譜面.jpg

​左の白丸は左側を、右の白丸は右側を、真ん中の黒丸は正面を叩きます。白丸と白丸を線で結んでいるのは、おそらく撞木の動線を表しています。これを口で言うと、

チキチッ チキチッ チキチッ コンコン

となります。五線譜を参考にしたものと微妙に違いますが、繰り返して叩いていると、どちらも同じものであることが分かると思います。詳しく説明すると非常にマニアックな話になりますので、興味のある方はぜひスタジオまでお越しください。

 

さて、そうして「追い囃子」を続けていて、大太鼓の合図がありますと、次のリズムに移ります。ウィキペディアによれば「ニ力(にりき)」と言うそうですが、私の地元では呼び名がありません。

2譜面.jpg

​口で言いますと、

コンコンコンチキチッコンコン

コンコンチキチキチッコンコン

です。五線譜を参考にしますと、以下のようになります。

2鉦.jpg

​口で言いますと、

コン コンコンコンチキチッコン

コン コンコンチキチキチッコン

例によって微妙にずれていますが、繰り返すと同じであることが分かります。

太鼓はこんな感じです。

2太鼓.jpg

​口で言いますと、

ドン ドンドンドンドコドッドン

ドン ドンドンドコドコドッドン

です。これも「中中」→「中外」→「中中」で次のリズムに移ります。ただし、この二力(にりき)については、最初の「中中」は省略して、いきなり「中外」を叩く地域が多いようです。

そして、次は、地域によっては「曲(きょく)」とか「かやく」とか言われているリズムになります。これは各地域ごとに様々なものがあり、新しく作られたりもしているようです。ここでは代表的なものとして「天満(てんま)」をご紹介します。

天満.jpg

曲については、大阪市此花区にあります住吉神社地車会のホームページに詳しく載っています。ご了解いただいて以下にリンクを貼らせて頂きます。この中でも「天満」「桜」「新堀」などは私の地元でも同じものがあります。

​この「天満」を、五線譜を参考に書きますと、以下のようになります。

 

天満鉦.jpg

​大阪市内の多くの地域では最初の「チキチキチン」を鳴らしません。途中の「チキチキチキチキ・・・」も地域によって微妙に違ったりします。いずれにしても、この「天満」は実に多くの地域で囃されています。

(以下、制作中です。)

 

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