平成10年 御堂筋パレードにて
担ぎ上げ
これは東之町の地車だけではなくて、海老江八坂神社の地車3台全てがそうですが、7月18日の宮入りの際には地車を担ぎ上げます。これはお神輿を担ぐのとは違って、昔は水路が多く橋も木製でそのまま渡ると橋が壊れてしまうので、数十人で担ぎ上げることで重さを分散しながら橋を渡ったことに由来するそうです。地車の周囲には直径20cmほどの丈夫な担い棒(にないぼう)があり、さらに祭り当日はロープで補強します。現代では実際に橋を渡ることはありませんが、神社の境内で行なわれる担ぎ上げの出来栄えが、その年の祭りの成否を左右すると言っても過言ではありません。担ぎ上げ専用のお囃子で、みんなで声を揃え、力を合わせて担ぎ上げます。
逆立ち
また、担ぎ上げられた地車の屋根の上では逆立ちをするのが伝統です。屋根には専用のグリップや命綱の類は一切なく、まさに命懸けです。屋根の真ん中、箱棟(はこむね)という部分に肩を当てて、彫り物の隙間を持って、肩と両手の三点で倒立し、お囃子に合わせて両足を前後や左右に開いたり閉じたりします。
海老舞(えびまい)
地車の後ろの担い棒を肩の高さまで持ち上げた状態で、地車を駒のように回す動きです。これは平成10年頃に、動きは平野の杭全神社の舞々を参考にし、お囃子と歌は東之町独自で作ったものです。
掛け声
巡行時の掛け声は「あ~、おおた~、おおた~」です。この「おおた」にはいくつかの意味があって、一つは「追う」です。地車を前に進めることを「追う」といいます。急ぐ時は「もっと早う追え!」と言ったりします。また「合う」の意味もあります。地車の舵を取り、進行方向に合った時に「よっしゃ、おおた(合った)ぞ!」などと言ったりします。そして「大きく」という意味もあります。地車を曳く綱は、カーブを曲がる時、大きく大きく円弧を描いた方が良いという意味を込めて「おおた~、おおた~」と声を掛けます。